すっきり三条通、後祭巡行復活を 京都市に無電柱化要望




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すっきり三条通、後祭巡行復活を 京都市に無電柱化要望

(左)頭上に縦横無尽に走る電線。電柱とともに地中化しようと、地元住民たちが本格的に動き始めている。(京都市中京区・三条通柳馬場)と、(右)無電柱化の実現後、電線がなくなった三条通のイメージ写真(京の三条まちづくり協議会提供)
    (左)頭上に縦横無尽に走る電線。電柱とともに地中化しようと、地元住民たちが本格的に動き始めている。(京都市中京区・三条通柳馬場)と、(右)無電柱化の実現後、電線がなくなった三条通のイメージ写真(京の三条まちづくり協議会提供)

 明治時代に金融機関など都心機能が集まり、現在も洋風建築や町家が残る京都市中京区の三条通で、無電柱化を目指す住民活動が本格化している。昨年復活した祇園祭の後祭は、かつて三条通を巡行していたことから、頭上の電線をなくすことで、景観改善とともに山鉾巡行の復活も目指す。

 三条通の寺町通-新町通間には、重要文化財の旧日本銀行京都支店(現・京都文化博物館別館)など洋風建築物や商家が立ち並ぶ。市は1997年、歴史ある街並みの維持や向上に取り組む、三条通界わい景観整備地区に指定した。

 後祭の山鉾は65年まで、三条通を東へ進み、寺町通を南下して四条通に向かっていた。前祭に巡行が一本化された66年以降、都市化が進み、寺町通-新町通間の電柱は現在46本ある。地上5~6メートルを横断する電線が多いため、背が高い山などは通れない。還幸祭では神輿(みこし)3基が通るが、49年ぶりに復活した昨夏の後祭では御池通を東行、河原町通を下がる巡行路となった。

 地元住民でつくる「京の三条まちづくり協議会」は景観について議論を重ね、後祭復活を機に、勉強会などを開いて意見を集約。昨年11月、寺町通-新町通間の約1キロでの無電柱化と電線地中化を求める要望書を市に提出。「三条通での山鉾巡行が、豪快さと端麗さで多くの人々を魅了するためにも、電線地中化と無電柱化が必要」と訴えている。

 市は、京都府や国と策定する無電柱化推進計画に盛り込むための検討を開始。道路環境整備課によると、変圧器などの役割を備える地上機(横1・2メートル×縦0・5メートル、高さ0・9メートル)を二十数台設置する必要があり、地元の理解が鍵になる。

 祇園祭山鉾連合会の吉田孝次郎理事長(77)は「三条通は還幸祭で神輿が帰り、その先触れとして山鉾が通る大切な道。室町時代に初めて山鉾が巡行して以来のルートを通れるようになるための動きは大歓迎だ」と期待する。

 協議会の森本浩行代表(52)は「三条通には日本が近代化に移る中で先進的な役割を果たした建物が数多く残る。年月がかかるかもしれないが、無電柱化を成し遂げたい」と話す。

【 2015年01月27日 16時10分 】

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