無電柱化が進まない原因は政治家の無責任?無気力?



無電柱化が進まない原因は政治家の無責任?無気力?



  1. 無電柱化がなかなか進まないのは政治家に本当の実力、本当の知恵が欠けているからだろう。地中埋設の経済合理性を形にするのが政治と言うものだが、それが今の政治家にはできないらしい。
  2. 逆の発想をするなら、電柱は危険なものだから、電柱が倒れる可能性のある敷地の住人には十分な危険手当を払わなければいけない。景観を損ねる費用も払わなければいけない。電線にも同様の費用が積み上げられなければいけない。道路を狭くして危険状態を作るのだから、その費用負担も必要だ。まあ、兎に角、知恵を尽くすべきだろう。
  3. 敷地内の電柱の撤去を要請する権利を認めても良い。10年以内に撤去する義務を設定するとか。遅らせる場合は相当の費用負担をさせる。
  4. 埋設されたシステムパイプの利用権を設定してもいい。 
  5. 道路の両端、中央の利用に関する制限を法律化して、システムパイプ設置を義務付けても良い。いずれにしても、旧来の省庁の分担を超える枠組みが必要だ。これを政治家は分かっていてただ黙って見ているだけだ。


http://www.sankei.com/premium/news/151109/prm1511090001-n1.html

2015.11.9 09:00更新


電柱地中化の機運再び 鬼怒川決壊や観光立国が後押し コスト増を克服できるか?

空を埋め尽くすほど電線やケーブルが張り巡らされている八王子駅前の商店街。電柱は景観や防災上のネックとなっている=東京都八王子市(三尾郁恵撮影)

 電線を地中に埋設して電柱をなくす「電柱地中化」いわゆる「無電柱化」の機運が、改めて高まってきた。都市景観や生活環境の改善に加え、最近では、激甚化する災害への対策や地方創生、観光振興といった成長戦略メニューとも親和性が高いことで政策としての大義名分も獲得。無電柱化推進を掲げた自治体首長の集まりには、国会議員が与野党を超えて結集するなど、来夏の参院選も見据えた動きも出始めた。

 「ネクタイの次は、電柱を引っこ抜きます!」。元環境相としてクールビズを推進した小池百合子衆院議員は10月20日、東京・永田町で開かれた「無電柱化を推進する市区町村長の会」の設立総会で気勢を上げた。

 同会に来賓として駆けつけた国会議員の数は12人で、与党の自民、公明だけでなく、維新や民主党議員の姿もみられるなど、多彩な顔ぶれだった。会を呼びかけた奈良県葛城市の山下和弥市長は、「非常にありがたい」と口元を緩ませた。

サクラ並み本数

 国土交通省によると、電力会社や通信会社が全国に設置している電柱の総数は平成24年度末で約3552万本で、「サクラの木とほぼ同じ数」(小池氏)。近年も年間約7万本ペースで増えている。

 国は昭和61年度から、景観向上や歩行者の安全確保などを旗印にして無電柱化を推進してきたが、「1キロ当たり3億円」(山下市長)とされる自治体ら道路管理者の費用負担がネックとなり、最も進んでいる東京都でも無電柱化されている道路は全体の5%未満。完全無電柱化しているパリやロンドンはおろか、韓国・ソウルの46%にも水をあけられている。

 政治の世界では、安倍晋三首相を会長とする議員連盟が平成26年1月に無電柱化促進の必要性をうたった決議を採択。それを引き継いだ自民党小委員会を中心に、電柱撤去や無電柱化の技術開発を行うことを電力会社や通信会社の「責務」と規定した議員立法の無電柱化推進法案が与党合意にまで持ち込まれた。

 ところが、今年の通常国会にも提出予定だった同法案が、安全保障関連法案による与野党対立の影響で、野党との合意形成が暗礁に乗り上げた。結局、法案は会期末まで提出されずじまいで、頼みの臨時国会も年内に開かれる見通が立っていない。政府関係者は「重要法案ではあるが、どうしても優先順位が下がった」と打ち明ける。

観光立国へ障害も

 ただ、潮目は変わりつつある。9月に茨城県常総市で起きた鬼怒川の堤防決壊では、現場周囲の電柱と電線が、今にも濁流に流されそうな住民を救助しようと近づくヘリコプターの行く先を阻む光景がテレビに大映しにされた。その1カ月前となる8月の台風でも、各地で電柱が倒壊し、道路通行止めの原因となった。

 政府が進める観光立国の推進にとっても、電柱の存在は「百害あって一利なし」となりつつある。世界遺産にふさわしいか実質的に審査する国際記念物遺跡会議(イコモス)は、世界文化遺産に登録された富士山に対し、いくつかの環境保全策を実施するよう求めており、その一つが景観を妨げる電柱への対応とされる。対応次第では、世界遺産登録が取り消される可能性もゼロではない。

 世界から注目を集める2020年の東京五輪でも、競技場周辺の無電柱化は喫緊の課題だ。市区町村の会は、無電柱化を進めるNPO(特定非営利活動法人)とも連携して、安全・安心に関心の高い子育て世代をターゲットに、世論の合意形成を進めていく方針だ。政府・与党も今後、無電柱化のために取得した電線の固定資産税軽減などを検討するなど、支援態勢を整えていく。

 課題となるのは、やはりコスト負担だ。現行制度では、電線を地中に埋設するための共同溝工事費用は、自治体など道路管理者が持つとされ、電力会社などは電線や機器などの費用負担にとどまる。法案が成立すれば埋設の「責務」が電力会社に移るため、自治体の負担が軽減される可能性が出てくる。国交省もコスト削減につながる埋設構造の浅層化に向けた規制緩和に向け、浅層化に伴う通信線の影響を調べている。

 また、電線を地中に埋めると、目視によって痛んだ箇所を断線前に発見できなくなるため、破損・断線箇所が特定しにくくなるというテクニカル上の課題もある。

 旗振り役となる自治体の意識向上もカギを握る。「市区町村長の会」の設立総会の名簿には、参加自治体がない県もある。山下市長は、「無電柱化による災害対策や景観美化などの効果は、地方ほど恩恵が大きい。政府にもしっかりと関与してもらえれば、自治体の政策の優先順位も上がっていくはず」と、賛同の広がりに期待を込めた。(佐久間修志)

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