http://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/mtfuji/215485.html

三保街道、霊峰見やすく 横断電線の撤去完了 静岡市

(2016/3/1 17:53)





 道路を横切っていた電線類が撤去された三保街道=2月上旬、静岡市清水区折戸

電線類を撤去する前の富士山の眺望=2014年2月、静岡市清水区折戸(写真の一部を加工しています)

     富士山世界遺産構成資産の三保松原(静岡市清水区)につながるメーン道路の県道三保駒越線(通称・三保街道)で、道路を横切る形で富士山の眺望を妨げていた電線類の撤去作業が2月上旬に完了した。眺望が大きく改善された一方、無電柱化やまちの色彩など世界遺産にふさわしいさらなる景観づくりには課題が山積している。

     ■無電柱化は調整進まず


     市は2015年2月に撤去を開始し、約1年間かけ、約1・5キロの区間で電気や通信用の電線類と電柱の倒壊を防ぐ支線計126本を撤去した。一部の電線類を2カ所の交差点の地下に移したほか、別の道路に変更するなどした。
     将来的に市はこの区間を中心に無電柱化を図りたい考えを示す。だが、基準となる国のガイドラインが定まっていない上、県道の拡幅工事が進んでいないため電線管理者などとの調整が進まず、具体的な実施時期は決まっていないのが実態だ。
     市は昨年度、三保街道など観光客が多く通る道路沿いを主な対象に、望ましい看板の大きさや建物の外壁の色などを定めた「三保半島景観形成ガイドライン」を策定。本年度から折戸、三保の両地区で住民対象のワークショップを始め、「地域に景観づくりの意識を醸成し、ルール化につなげたい」(建築総務課)と期待を寄せる。このガイドラインに沿った景観形成も道路の建設や拡幅工事に合わせるため、実施のめどは立っていない。
     三保連合自治会の桜田芳宏会長は「(電線の撤去で)富士山の眺めが良くなった実感はある」と評価。「景観づくりに関心の高い住民はまだ一部。具体的な時期や方法が示されないと地域の理解はなかなか進まない」と指摘する。

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