防災は景観面からも


【社説】防災は景観面からも

2014.09.24 12:54:00

 空を見上げれば、すっきりとした景色が広がり、足元は歩きやすくなる。電線を地下に通す「無電柱化」に向けた機運が高まっている。防災や景観、安全面からも早期の実現に期待したい。

 国土交通省によると、電柱は全国に約3500万本あり、年7万本ずつ増えている。欧米の主要都市は戦前から無電柱化が標準で、ロンドンやパリは100%を達成している。

 一方、日本は東京都内でさえ市街地などの幹線道路で約33%、県内は約15%にとどまる。アジアの主要都市も着実に無電柱化を進めている状況をみれば、わが国は先進国で際立って「電柱乱立社会」と言えよう。

 電線が上空にクモの巣状に張り巡らされてきた弊害は少なくない。最も懸念されるのが大地震などの災害時だ。東日本大震災では、約2万8千本、阪神大震災では約4500本が倒壊し、交通を阻害した。台風や竜巻でも被害は多い。緊急輸送道路が、電柱にふさがれることは一刻を争う人命救助の成否に直結する。優先的な対策が必要だろう。

 また日常においても、狭い歩道に立つ電柱が歩行を妨げたり、見通しを悪くしたりしている。高齢者やベビーカーを押す親にとって、優しいまちづくりの発想ではない。

 景観面も問題だ。無粋な電線が邪魔し、観光地や景勝地を台無しにしている例は枚挙にいとまがない。こうした現状は、経済発展に力を注ぎ、美しい景観や弱者に配慮した安全なまちといった視点をおろそかにしてきた結果ではないだろうか。

 国は1980年代以降、歩道下のボックスにまとめて電線を収納したり、よりコンパクトな電線共同溝を設置するなど地中化を推進してきた。しかし、多額な費用がかかったり、長い工期に地元住民の理解を得るのが難しかったりして、電柱は減るどころか増えている。状況を反転させるためには、欧米で主流となっている割安な電線の直接埋設方式を積極採用していく必要があろう。

 自民党の小委員会は6月、電柱新設の原則禁止を盛り込んだ基本法の策定を求める提言をまとめた。今秋の臨時国会で議員立法の提出を目指している。民間でも広報などを行うプロジェクトが始動している。

 厳しい財政状況下ではあるが、優先順位を明確にし、空の広い、安全で品格ある都市を次世代に引き継いでいきたい。

【神奈川新聞】

https://www.kanaloco.jp/article/78061/cms_id/103011



社説にしては一般啓蒙の範囲に留まる内容で詰まらない。地方新聞として踏み込んだ提言もない。ネタ切れの繋ぎに放り込んだだけのように見える。無電柱化推進の課題の大きさが伺える。

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